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みみ、はな、のどの病気についての解説

中耳炎に抗生物質は必要なの? 詳しい

 中耳炎は、ウイルスや細菌が鼻の奥から中耳に上がっておきます。

 さて、抗生物質は長く使っていますと耐性菌があらわれてきて効かなくなっていくという問題があります。ですから理論上、かぜの初期などのウイルス性の中耳炎なら抗生物質を使わず、その他の細菌性の中耳炎なら抗生物質を使うのが良いということになります。

 ではウイルス性か細菌性かは鼓膜をみたらわかるのでしょうか。

 一般的には、鼓膜の腫れや赤みが軽かったり、鼓膜に水ぶくれができているなどがウイルス性を考える所見と言われています。一方、黄色いうみで腫れている鼓膜をみれば細菌性だろうと考えます。しかし実際には見ただけでは難しく、きちんとした基準はありません。

 全身状態、鼻やのどの所見を参考にすることもあります。急な発熱と水ばなに伴う中耳炎ならウイルス性だろうとか、黄色いはなが多いなどの副鼻腔炎の所見があれば、細菌性を考えます。

 かぜの経過に伴ってウイルス性から細菌性にかわった時には、それをみきわめて抗生物質を開始するのが理想です。しかし休診日やいろんな都合もあり、毎日受診してもらい観察するのも現実的ではありません。

 以上のようなことから当院では、軽い中耳炎以外は抗生物質を処方しているのが現状です。

 最近、小さな子供に抗生物質をあたえると腸内細菌の状態が変わることで、長期的な悪影響がでる可能性もいわれています。日々、抗生物質を減らせないかなと考えながら診療しています。

[2019/01/21]